そう、確かこんな風景だった。
家々は当時と違い新しくなっているかもしれないが、通りの突き当りに赤い屋根の駅が見えた。
50年前、高校生の僕は東北一周の自転車旅をしていた。太平洋側から日本海側に回ってきたので、ここに来たのは旅の後半、10日目くらいだったと思う。(記憶も記録もなにも残っていない・・・)
夕方泊まるところを探していると、この駅を見つけた。向能代駅、無人駅だった。待合室で泊めてもらうことにする。今はあれこれ難しいかもしれないが、当時はおおらかな時代で旅人たちは無人駅を利用させてもらっていた。正式にOKだったのかどうか?だが(OKなはずはないか)ワンマンの列車から降りて改札に立つ駅員さんも、おはよ、気いつけてね、などと会話するような時代だった。
いつかまたここに来てみたいと思っていたが、なかなかいろいろなタイミングが合わずずっと実現できずにいた。そして今回休み、宿、新幹線空席、体力、気力等々が揃い、やっと実現できました。
1日目:2024/4/26(金) 秋田~男鹿半島寒風山
2日目:2024/4/27(土) 大潟村~能代~大館
3日目:2024/4/28(日) 大館~弘前
4日目:2024/4/29(月) 弘前~新青森~帰宅(輪行のみ)
2024年4月26日(金) 1日目
この場所が輪行に最適。但し下りに限る。上りになると座席が回転してしまい、ここが足元になるので、隣の席の人の迷惑になるので使えない。
改札を抜けると、いろいろ揃ってお出迎え。
ACCUMここにも走っているのか。(烏山線で見た)
自転車を組み立てていると、ふらーっとやってきて興味深そうに見学していたおじーとしばし雑談。どこからきた、自転車は電車に乗せてきたのか、いくらするんだ、どこまで行くんだとお約束の輪行駅前あるある。自転車は100万円と言っておいた。
これが見たくて、男鹿駅まで行かずに手前で下車した。
予定ではあそこまで上るらしい・・・
約5km 標高差340mくらいの坂を1時間かけて上った。(=押して歩いた)
自転車で上った報告がYouTubeにたくさんあるけれど、みなさんさらっと上っていて、いやーすごいなー。(良い子は真似してはいけません)
途中コンビニで、昨日ここに熊が出たから気をつけてね、ここに出るのは初めてだよ。と、お姉さんが教えてくれたが、気をつけようがないし、ホテルに行くには通らなくてはいけない場所だったので、出ないでくれーと祈りながら走った。(幸い遭遇しなかった)
確か日本で2番目に大きい湖だったのを20年かけて埋め立てたとかだったか。(適当な記憶)
秋田の沿岸はすべて風力発電なのかと思えるほど、あちこちに建っている。
そして能代市街を抜けて、いよいよ今回の旅の目的地、五能線向能代駅へ・・・
着いた! 50年前にタイムリープ・・・
アルミサッシではなかったかもしれないが、雰囲気はそのまま。(かすかな記憶のまま)
当時正面左に電話ボックスがあった。四角く基礎が囲われているところがその名残だろう。昔のベージュのボックス。夜そこから家に無事を知らせる定期連絡をした。
待合室も椅子の配置は違うけれど、窓口とか記憶のまま。
椅子は、木の長椅子で、そこに横になって寝た。
朝起きると、近所のおばあさんが掃除を始めていたので、お手伝い。
掃除が終わって、荷物を整理しているとさっきのおばあさんが、大きなおにぎりとお茶を持ってきてくれた。コンビニなんてない時代なので、朝食にありがたくいただいた。
おばあさんと話しをしながら、おにぎりを頬張っていると、通勤の人が気いつけていけよーと声をかけ、列車に乗り込んでいった。よき時代だった。
おばあさんは、昔戦争の時には、この駅からたくさんの兵隊さんを送り出した。その頃は人でいっぱいだったなんて話をしていたっけ。急に記憶が蘇ってきた。
朝列車が着くとホームに出て、運転手さんに挨拶をし、見送ったと思う。
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帰ってきたあとで知ったのだが、今年5月から建て替え工事が行われるとのこと。
びっくりした、あと少し遅かったら、もうこの姿を見られなかったんだ。
4月末、最後のチャンスだったんだ。偶然だったのか、なにかに呼ばれたのか。
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さてここから、日本海側を五能線沿いに北上するつもりでいたが、僕の脚で走れる距離に宿がなさそう。そもそも町がほとんどない。
地図を眺めながら、町の点在する内陸に向かうことにする。
まずは、奥羽本線、米代川沿いに大館を目指すことに。
どうりで目も痛い。目をしばしばさせながら進む。
大館、到着。初大館。
なにかのテレビで見たことのある、レトロな映画館。
大館駅はまだ一部工事中のようだ。駅前には秋田犬の像。
町中が秋田犬推し。
2日目は大館で泊まりとする。
2024年4月28日(日) 3日目
大館を出て間もなく、跨線橋を渡っていると、特急つがる登場。
そういえば自転車乗りに合うのはこの3日で初めてだ。
そこからすぐに矢立峠に到着。ここから青森県。
入口に大きなワニ。
なぜこんな山の中で地名が鰐なんだろう?
この弘南鉄道大鰐線(弘前中央-大鰐)は廃線の危機らしい。利用者が減っていくのは地方路線の宿命なのか。
黄砂で霞んでいても美しい稜線だ。
待合室に入ってびっくり。まったく事前情報なしで行ったので・・・
多分有名な方のアートかもしれないが、申し訳ないが僕的にはこれじゃない感。というか、落ち着いて中にいられない。
地元の方がみんなでいろいろ考えてこれでいこうとなったのだろうから、部外者が自分の好みであれこれ言う筋合いはないですね。ハイ。
本日は駅のすぐ近くのホテルに泊まり、明日は輪行帰宅のみの予定。
チェックインしてからまだ弘前城閉園まで時間があるようだったので、行ってみることに。
2024年4月29日(月) 4日目
ただ、はやぶさは全席指定で空席がない。でも駅にはそんなに人がいない。
どういうことか、条件をいろいろ変えてみていたら、仙台までだったら空きだらけということがわかった。要するに仙台から東京方面に向かう人で予約が埋まってしまうため、新青森から仙台をまたいでその先の駅まで取ろうとしても空きなしということになってしまうということだ。
このままでは帰れないので、はやぶさ指定で仙台まで行って、仙台始発のやまびこ自由席に乗り換えることにする。自由席なら一本遅い新幹線に先頭で並べば輪行も問題ないだろう。時間はかかるけれど、帰るだけなのでこれで行くことにする。→この作戦で無事帰れました。
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